2011年11月13日日曜日

#25 Crossover Ofunato Vol.3 -虹-

8時半に目ざましが鳴ったが、とりあえず無視する。

N先輩と9時出発を約束していたが、2度寝してしまい、結局出発が9時半になる。
今日も昨日に引き続き、暖かな日。

まずは旧三陸町中心地、越喜来(おきらい)に向かう。
いつ来ても衝撃的な風景だが、今日は市の三陸支所(旧役場)の様子を確認する。
手前側は2階まで浸水、奥側はなんとか免れているようだ。
室内には以前から置いてあったものだけでなく、外部から流入したものも加わって混沌としていた。
ここの職員は適切に避難し、全員無事であった。

越喜来の街。がれきはほぼ撤去済み。
そののち、越喜来小学校の避難時間を大幅に短縮した渡り廊下などを見る。
この渡り廊下があったおかげで、高台へスムースに逃げることができ、児童は無事だった。
越喜来にある三陸駅のとなり、甫嶺駅は築堤の上にあり、周辺ではあまり倒壊や流出した建物を見ない。三陸鉄道の盛土が堤防の役割を果たし、津波被害を軽減しているような感じだ。

その後、恋し浜駅に向かう。
階段をのぼってホームにたどり着くと、他とは違った駅名標が出迎えてくれる。
もともとの地名は「小石浜」だが、それをもじって「恋し浜」になっている。
待合室の中には、絵馬ならぬ「絵ほたて」がびっしり!
本当にいろんなメッセージが書かれており、最近の日付のものは復興を願うものが多い。
中には、「確定申告はe-Taxで」と書かれたものがあり、本気なのかネタなのかよくわからず、思わず苦笑する。
すいません、暗号化しちゃって・・・
その後、綾里川で鮭を見物する。今日も相変わらずびっしり。そしてイキがいい。
そして、Kojikaに行き、先輩はカレー、私はジェノベーゼを頼む。久しぶりのパスタだ!と思っていたら、そういえばこの前なすのボロネーゼ食ってたっけ。しかも昨日も「今どきのナポリ」とかういうの食ってたっけ・・・
先輩からいただいた「ゆかり」をお渡ししたところ、奥様の好物とのことで喜んでいただく。

先輩の希望で、さいとう製菓に立ち寄る。かもめのたまごを鬼のように買い込んでいた。買占めは慎んでいただきたい・・・
気になる「黄金のかもめのたまご」と、大船渡バッチ、DVDを買い求める。

45号線を走っていると、おさかなセンターでイベント中!情報はつかんでいたが、場所がうろ覚えだったので、あわててUターンする。
「がんばっぺしけせん!復興ふれあい市」と銘打ったイベントで、大船渡市内や隣の高田市、遠くは盛岡の「いわて銀河鉄道」のミニSLまで登場。高田から出店している文具店で「哀史 三陸大津波(山下文夫著)」を購入。

中央の広場でミニライブが始まった。もちろん、知らない人だが、歌詞を聞いているうちに引き込まれていく。
「歌詞に共感する」という経験がなかったが、歌を聴いていてこみあげてくるものがあった。雨が降る中の熱唱。どこかでCDは売っていないかと思ったら、売っていた・・・・

LAWBLOWの「家へ帰ろう」という歌。

思わず、サインももらい、写真も撮ってもらってしまった・・・

そして、空には虹が・・・
引続き、桜ライン311の植樹した木を見に行こうと、45号線、三陸道ととおって陸前高田へ。
なぜか、高田にくると雨が降る。雨の被災地はとてももの悲しい。
サクラの植樹が行われたのは、浄土寺の境内。
ここから海岸線まで相当距離がある。
高田の市内は、広い面積が何もない状態になっている。正直、心苦しい。
山門から市内を眺める
高田の一本松を見ながら、45号線を南下し、県境を越え気仙沼へ。
今日の新聞に、屋台村のことが載っていたと先輩が情報提供してくれたので、まずは立ち寄ってみる。
にぎやかなエントランス
復興屋台村 気仙沼横丁は、真新しい仮設の建物に、どんぶり屋、すし屋、居酒屋、お好み焼き屋、お土産物屋、八百屋、かに屋などなど、多種多様である。
お土産物屋さんに立ち寄り、店主と話をする。ここは、津波で被害を受けた商店主が出店しており、自社の乾物などを作っていた工場が被災し、声もかけられた、ここに店を出したとのこと。
まさに横丁!
すこし開店まで時間があるので、気仙沼の街に出る。
気仙沼は大船渡より地盤沈下が激しいような気がする。
横丁の向かい側も水浸し。
ベンチも利用できない。
広島から応援に来ている大島行フェリー
港に近いところでは、まだ未解体の建築物が多数あり、心が折れる。

臨海部に立地する県庁舎も、2階まで浸水していた。
しかし、いいニュースもある。
7月に来訪した時は2階の一部のみ営業を再開していたショッピングセンターが、完全に再開している。三重でなじみのある店なので、とてもうれしくなる。
また屋台村に戻り、先輩から寿司をご馳走になる。
価格もリーズナブルで、本当においしい!

先輩を気仙沼駅に送り届ける。鉄道が動いているということは、なにか街が生きている証のような気がする。

戻りがてら、陸前高田のコンビニでFさんに偶然出会う。少しお話をし、再開をお願いする。
さて、明日からもがんばっぺし!