2011年11月23日水曜日

#35 Crossover Ofunato Vol.4 -山-

若干風邪気味か、少し体がだるいが、9時に起床する。

外は穏やかに晴れており、天気予報でも今日は暖かいと報じられている。パンを買い忘れていたので、インスタントのワンタンを食べた。
フロントで「代引きの荷物が来てますよ~!」と告げられる。先日、ネットで頼んだ山口弥一郎著の「津浪と村」だが、書店からの連絡もなく、少し焦る。あやしい本ではないことをアピールするため、その場で開封しておく。

ベースキャンプの近所の機械やさんが展示会をやっているとのことで、少し覗きに行く。
林業にたずさわる者なら誰でも知っているメーカーのテントが並び、チェーンソーや刈り払い機がたくさん並べられている。中には既に売約済みのシールが張られたものの。
当然、一角には杣遊会のブースがあり、フクロウの置物などが展示されている。
丸太が切られています
この展示会の目玉は、丸太切り大会。チェーンソーと二人でのこぎりで切る部があり、かなり本気っぽい人が多数。オレンジのジャケットやパンツを身に着けた人がぎっしりの現場、三重でもやったら面白いかも?

その後107号を南下し、日頃市から五葉山方面へ向かう。
日頃市の集落はいつもまろやかな雰囲気を漂わせており、永住したくなる。

五葉温泉手前には、かなり大きな多目的ダム、鷹生(たこう)ダムがある。
でかい
ダムから下流の集落を望む
ダムがあったり、味のある集落があったりと、第3の故郷、芸濃を彷彿させる。
五葉温泉の手前にダム管理棟があり、展示スペースもあるそうだが今日は閉館。

引続き、峠に向かってクルマを走らせていると、ウシさん発見!この辺りでは放牧が行われている。大船渡には本当に何でもそろっている。
大自然で放し飼い
日本離れした風景を進むと、辺りは落葉広葉樹の森になる。日頃市から釜石市唐丹に抜けるこの道は冬季閉鎖されるが、今の時期は除雪ではなく「除落ち葉」が必要なほど葉っぱが道路を埋め尽くしている。
対向車と2台ほどすれ違うと、釜石市との市境、赤坂峠に到着。標高700m超で、空気が冷たい。
市境
山小屋に薪持ってってください看板
登山道入り口と五葉山神社の一の鳥居(?)
ここは五葉山への登山口にもなっており、クルマが数台止まっていた。
五葉山はこのあたりでは最高峰で、標高1,351m。いつか登ってみたいが、今日はやめておこう。寒いし。

釜石に向けて下り始めたすぐのところに、「もりの学び舎 悪路 3.8km」と書かれた木製の看板を見つける。すっかり悪路マニアになっているので、まぁこの先、人はいないだろうなぁ~と踏んで未舗装路を行く。
これ森林公園ですから
途中、シカの群れなどを見かけ、「はたしてここは日本なんだろうか?」と思うような雄大な景色を眺め、もりの学び舎に到着。

ここは、県営大窪山森林公園のビジターセンターになっており、シティーハンターという漫画にでてきた海○○に似た管理人のM氏に出迎えてもらう。開館は5月から11月なので、今日を逃していたら訪問できなかったかも・・・
ちなみに、三重県でも2つ森林公園があるが、どちらかといえば都市型の公園っぽい感じがするので、ここのありのままの自然っぽい感じには正直驚く。こんないい雰囲気のところが三重にあったら、毎週渋滞するだろうな・・・

県営施設とはいえ、今は指定管理者が定められており、気仙地区森林組合が運営を担っている。
森林整備のことや、この館の運営のことなど多岐に渡って話を伺った。
前から気になっていた、田んぼの畔みたくなっている山は、聞いたことがあるが今が失念したとのこと。
前から気になっている山
しばらくして、常連さんがやってきた。シカの写真撮影が趣味らしく、カメラを持ってきなさいよ、とアドバイスを受けた。今日はおいてきちゃったんだよね・・・
他にも、三重大学の人が来たと話され、あ、それ母校です!とカミングアウトする。
他にも、ヒノキがないと思っていたら、昔はヒノキがあり、南部藩と伊達藩で奪い合いになったと教わった。いまでも「桧山」という地名として残っている。

M氏と震災の話題になった。組合の三陸支所が被災したこと。自らの友人のこと。趣味のこと・・・
切なくなるような話も出てしまった・・・

ここでは、定点で写真撮影が行われており、季節の変化がわかるだけでなく、紅葉のタイミングが年によって異なることも分かった。去年に比べて、今年は秋の到来が早かったそう。
館内の様子
そのあとも延々と話をしてしまった。連休ぐらいまで雪が残っていること。シカは逃げ場がなくなるとクルマの前に突っ込んでくるので注意が必要なこと。カメムシにひたすら悩まされていること・・・
結局、閉館時間直前までお邪魔してしまった・・・
玄関先のラックで「岩手の林業」なる冊子を発見し、森林組合の会報とともにあるだけもらってくる。
ちなみに、岩手の林業は月刊誌。

外はいつの間にか雨模様となっており、霧も立ち込める山道を下る。
途中、夏虫のお湯っこにより、冷え切った体を温めつつ、早めの夕食にする。
五葉温泉以外の場所で初めてひっつみを食べるが、具が微妙に違っているような気がして、オリジナリティーを感じる。

戻りがてら、マイヤで「いそべ」なども含めた買い物をし、ベースキャンプ前のスタンドで給油。
不思議というか、いい雰囲気というか、給油後にスタッフの方とのお話タイムがあるようだ。入った時はブースが埋まっていたが、どうも給油が終わっている車もある。三重ではF1のように給油即ピットアウトだが、ある意味憩いの場になっている。私も給油後に少し憩った。