2013年11月23日土曜日

#302 SENNAN Explorer -角田・丸森・白石-

目が覚めたら6時だった。友人は仙台駅発7時のバスに乗る予定だったが、当然不可能。ひとまず出発し、那須高原SAでパンとコーヒーを買い求め、北へ向かう。絶好の行楽日和で、東北道から眺める山々が美しい。昨日もそうだったが、普段は夜間に走行する機会が多いので、改めて東北の自然に感心する。

仙台高速バスターミナルに、次の便が発車する直前に到着した。乗り遅れた乗車券は払い戻しや変更が出来ないという残酷なシステムだった。やはり鉄道がいいと思った。

今までに訪れたことのない街を探検するため、仙南をターゲットに一路4号線を南下する。途中にある作業用品店の店に立ち寄り、冬に備えたアイテムを大量入手する。欲しかった都市迷彩のヤッケは、下のLサイズが売り切れ...
4号線を逸れ、阿武隈川に沿って角田市へ向かう。流域にはフラットな土地が広がっているが、県北とはなんとなく違った雰囲気が漂っている。

W技師が紹介してくれた、市内中心部に近い台山公園にあるコスモハウスに立ち寄る。角田市にはJAXA関連の施設があるため、こういった宇宙開発系の展示施設がある。JAXA関連施設と言えば銀河連邦を思い出すが、角田市は残念ながら加盟していない。
展示コーナーにはボイジャーの実物大模型がある。今なら間違いなく「はやぶさ」になるだろう。
ボイジャーといえば、ゴールデンレコード。
隣接するスカイタワーに昇る。遠くには蔵王連峰を眺めることが出来た。
敷地内にはH2ロケットの実物大模型が展示されているが、残念ながらお化粧直し中。高く組まれた足場を見るだけで、少し寒気がした。
駐車場に戻ると、ネコがなついてきた。どうやら1号機がお気に入りのようである。
引き続き丸森町へ。阿武隈ライン舟下りの乗船場へ。紅葉は少し終わってしまったが、時期としては悪くないのに、なぜか閑散としていた。JAF会員割引で1500円と、リーズナブルなのだが。
しばらくして乗船となる。フリーの客が自分を含めて3名、芋煮コースを注文された2名の計5名で出航する。
舟下りの魅力は船頭さんのMCが半分くらいある。しかし、行きは無言だった。かなり残念である。
阿武隈川は昔は水運が盛んだったそう。つまり、緩やかな流れということ。舟下りにつきものの急流もなく、ただひたすら穏やかな水面を進む。
人工的な噴水のある場所で折り返しとなる。ようやく船頭さんの解説が始まるが、残念ながら見どころが殆ど存在しないため、なんだか物足りない。もちろん、唄もない。
1時間ほどのクルーズを終える。残念ながら、舟下り好きの自分にとっては満足のいかないモノだった。景色を補うための何らかの魅力を付加したいところだ。食もさることながら、阿武隈川の水運をイメージした何か...MCの特訓もはじめつつ、船頭さんの服装など手軽なところからでも始められたらいいと思った。
この下流にある川原では、毎年10月下旬に「石投げ大会」が開催されている。水面を切る石が何回撥ねるかという、おなじみの遊びである。既に10回以上開催されている、丸森町の一大イベント。
トロフィー
近隣にある阿武急こと、阿武隈急行の丸森駅に向かう。
新しいといっても、開通してから25年が経過するが、新設路線らしいシンプルな駅舎には売店があり、タマ駅長ならぬマルとモリの姉妹が勤務している。しかし、どちらかは巡視に行ってしまったようで不在だった。
窓口で開業25周年記念のグッズを購入する。列車に乗れない分、少しでも消費することで貢献できれば...

川沿いを走っていると、棚田の看板を見かける。珍しいな、と思い少し立ち寄る。三重にある坂本の棚田や丸山千枚田のような小さい田んぼがたくさんある感じではなく、1枚が大きめの、石垣も強固な感じのものだった。
対抗もままならない隘路を行き、寄ってみたかった「いなかの道の駅やしまや」に着く。スマホは圏外という、今では珍しい場所だった。建物の2階では干し柿がびっしりと吊るされていた。
本来なら駅長の「とらお」がいるはずなのだが、残念なことに不在。
店内ではカレーなど軽食を摂ることも出来るのだが、行程が厳しくなってきたので断念。またの機会にするとして、上げ底するためにお菓子を買い求める。

レジのおばちゃんが、バーコードを当てるもエラーが出る。電話でどなたかに聞いているが出ない。
「100円でええ」と言われ、いくらかわからないお菓子は100円になった。とてもアットホームなお店である。今度はゆっくりお邪魔したい。

勝手に「柿ストリート」と名付けた、鈴なりの柿がなる木立を抜け、美しい里山をドライブする。タケノコが有名な丸森町も原子力発電所事故から逃れることが出来なかった。来シーズンは期待したいところだ。

白石市に入り、まずは白石城を目指す。15時半に到着し、あと30分で閉館となる天守閣を急ぎ見ることに。平成に入って再建された天守閣は、お手軽な鉄筋コンクリートなどではなく、木造である。幕末に「白石盟約」が結ばれたこの城も、今は観光名所になっている。
全景
国産材使用
小屋組み
 天守閣から白石の街を眺めると、気分は片倉小十郎。
片倉氏の旗印は鐘。天下に名声が鳴り響くようにとつけられたそうで、今の白石市の市章も鐘をモチーフにしている。
ミュージアムショップで白石市のゆるキャラ「ポチ武者こじゅーろう」のグッズなどを買い求め、資料館を見学する。ハイビジョンシアターは時間切れで見られなかったのが心残り。

温麺(うーめん)のために、わざと昼ご飯を食べていなかったので、餓死寸前まで追い込まれている。食べられる店のうち、近いところに訪問するも、明らかに営業終了ムード...別の店に行こうと思ったら、業界では著名な「小杉食堂」を発見する。白石と言えば、ここをスルーするわけには行かない。とってもいい感じのいなかの定食屋さん。無事に温麺にありつくことも出来た。ちなみに、殆どのメニューがうどんとそば、温麺からチョイスできるのも魅力。
かしわ入りのあっさり
日が暮れた4号線を北上する。仙台駅東のホテルに滑り込む。今日は市内は高すぎるものを除き、ほぼすべてのホテルが満室。定宿も当然満室だったが、何とかギリギリ予約が出来た。
ちょっと横になり夕食に行こうと思ったら、そのまま起きることはなかった。