2014年8月31日日曜日

#583 木の香

いつもの休日よりは早く起床し、朝食を摂って出発する。天気は薄曇り。三重に戻っても梅雨のような天候が続いている。

扉という名のクルマで、一路実兄の仏前へ。爆睡していた甥が目を覚まし、久々に話をする。以前見た時よりも急速に身長が伸びており、すっかり中学生らしくなっていた。夏に東北に行きたかったそうだが、宿題が膨大でままならず。冬休みにでも来なさいと告げておく。

既に待ち合わせ予定のN君から電話が入っていたが、どうあがいても予定時刻より1時間くらい遅くなりそう。プライベートの時は本当にみなさんにご迷惑をおかけしてばかり...

N君宅に到着し、少し上がらせてもらうことに。津市女性消防団で活躍されているご母堂が「水上ちゃん、気仙沼のことテレビでやっとんに!」と。ちょうどNHKで杉ノ下の証言が流れていた。
先日の東京での女性消防団の発表について、資料などを見せてもらう。東京国際フォーラムのステージで防災啓発の演劇をされたそう。三重はどこでもソフト対策が活発である。

N家の黒いセダンに乗せてもらい、津市美杉町へ向かう。里山を抜ける道路から眺める景色は、すべてが懐かしく、そして美しい。
途中、災害で運休を続けている名松線と並走する。治山工事の実施が鉄路復旧の条件だったが、それも徐々に進捗しており、今は鉄軌道の復旧も行われていた。
同じ市内なのに50㎞ほどの道のりを経て、道の駅美杉に到着する。駐車場には沢山のクルマが止まっており、早速大学の同期、Uと顔を合わせる。会場はイベント真っ最中という感が漂っていた。
道の駅に隣接する施設が、映画WOODJOBの記念館として一時的に整備されている。記念館の営業は今日が最終日、それに合わせてか、2014みえチェーンソー技術競技大会も開催された。
会場には林業技師や林業関係者が集結しており、思いがけず同窓会のような雰囲気になった。
映画の小道具
住所に注意
小道具も満載
展示施設は林業用の加工場
お約束
木造の建築物
全景
 ジオラマの撮影をしていると、「カメラを低く構えるといいですよ」と係の方から声を掛けられる。実はこの方、係の方ではなく、WOODJOBの大ファンで、毎週兵庫からこの施設に通い、ボランティアで来場者の案内をされているとのことだった。こんな熱心なファンに恵まれるとは...多謝!
ジオラマ
ヨキ使用のチェーンソー
 屋外のイベントへ。到着が遅かったので、松田玲さんのチェーンソーアートや午前の競技を見ることは出来なかった。
イベントスケジュール
松田玲さんの作品
そして、午後は枝払い競技が行われる。参加は7団体、森林組合や林業事業体が腕を競う。
説明を聞く猛者たち
見覚えのある青い服の諸先輩方
チェーンソーで枝払い!
測定
こういったイベントをいつかは三重で開催したいと思っていた。同じ思いの人がいたのだと思うと嬉しかった。まだまだ始めたばかり、MCのH主査と立ち話し、次回はグラップル競技も混ぜたいとか、森林フェアとくっつけてとか、いろいろなアイデアが沸いてきた。

ひとまず会場を後にし、近隣にある食堂で昼食。
店内はWOODJOB一色
伊勢うどんのメニューを見つけ、迷わず注文する。久々の歯ごたえ、久々の味に感極まる。
自分のリクエストで伊勢奥津駅に向かう。駅の横には木造の地域交流施設が出来ており、地元のおばさんがお茶をいれてくれた。せっかくなので最中を買い求め、しばしねまる。別のおばさんたちもねまっており、「値打ちが出る!」といった三重弁に、思わず心地よくなる。
隣接する伊勢奥津駅へ。鉄路は再来年度に復旧する予定。今は草生した線路だが、ここに再び列車が現れる日を心待ちにする。というよりも、実は名松線は未乗...

せっかくなので、走ったことのない道を行く。368号線を御杖村を抜けて太郎生(たろお)へ。同じ旧美杉村内でも、他県を通らないと行き交えないというのは不思議である。名張市への合併を求める気持ちもわからなくはない。
名阪国道から163号線へ。先日の台風で道路の一部が陥没し、片側交互通行になっていた。

またまた自分のリクエストで、県道亀山白山線を通る。高い場所から時折、津の市街地や伊勢湾が眺められ、本当に最高の場所である。
そして、昔住んでいた小野平の集落へ。美しすぎる光景が、永住可能性をより一層高めていた。
ああ、安らぐ...
以前住んでいたアパートの屋上には太陽光パネルが...
N君が芸濃町の奥地の被災状況を見せたいと言ってくれたので、見に行くことに。道路にはところどころ土砂が溢れており、雨のすさまじさを物語っていた。昨年の豪雨では、クルマで移動していた母子が亡くなるという事態が発生している。今年は的確な対応で、そのような被害はなかった。災害復旧に携わるN君の苦労をしのぶ。
芸濃の師匠の元を少し訪ねる。畑仕事をしている人がいたので、師匠だろうと声を掛けようと思ったら、しまった、別人...最近3次元の認識能力が低下しているため、また違う人に、と思っていたら、師匠だった。ダイエットに成功したようで、もはや別人だった。少し立ち話をするが、次回はゆっくり訪ねよう。

昨日に引き続き、自分にとってのもう一つの家族、親方宅へ。息子夫婦、娘夫婦も集まり、盆と正月が一緒に来たような様相。ゴキブリ騒動も交えながら、沢山の話で盛り上がった。
密かな鈴鹿名物、パイナップル大福
散々盛り上がってから、帰宅する。このころになって、ようやく三重の道路のペースについていけるようになった。