2014年12月16日火曜日

#690 futuristic forestry 2.0

既にスマホのアラームが鳴りっぱなしになっていた。画面を見ると4時45分。もう危険な時間帯に入っていた。急ぎ支度を整えて、飛び出す。
駐車場では既にW技師が待ちわびていた。寒風吹きすさぶ中、1号機で一路住田へ。

まだ外が真っ暗なので、中継地点の松田林業の場所がわからず、通過してしまう。今日のイベントに誘ってくれたI氏に電話を掛けると、107号線沿いまで出てきてくれていた。
何人行くのかこの時まで不明だったが、松田林業代表とI氏の兄上であるN氏、そして従業員の方3名と、社用車のハイエースに乗せてもらい、計8名で出発する。

どういったルートで行くのか、想像できなかった。てっきり東北道経由かと思いきや、滝観洞ICから釜石を抜け、以降、45号線で北上する。沿岸部の街並みは、訪れるたびに姿を変えていた。しかし、強力な睡魔に襲われてしまい、あまりよく見ることは出来なかった。

3時間半ほどかかり、田野畑村でふるさと木材のH氏と合流し、現場である村有林に向かう。
日本離れした光景を眺めながら、雪のない道を行く。
会場入口で出迎えてくれたのは、岩手県庁のE君。松田林業のクルマで参上したことに目を丸くしていた。

緩傾斜の山に開かれた作業道を進み、本日の研修会場へ。
岩手県主催の「森林経営実践力アップ研修・現地検討会」、林業事業体や行政職員を対象に、タワーヤーダとハーベスタによる作業システムの実演が行われる。
全体説明
作業計画書
林況
傾斜区分
タワーヤーダは、一関市の山一木材所有のオーストリア・コラー社製K602H、それに同社製の搬器、MSK3が組み合わされている。
トレーラーでけん引
今回は21tのブルで
搬器
ハーベスタは、オーストリア・コンラッド社のWOODY50と呼ばれる機械。ベースマシンは小松製作所の0.45クラス。
そして、実演が始まる。今回は西間林業の全面的バックアップにより実施されており、以前MONSTERCUPでもお会いした西間健さんがハーベスタとタワーヤーダのオペレーションを行った。
久々に見る架線集材
ハーベスタというよりも、グラップル+プロセッサ的使用
オートチョーカーがワイヤー外しを自動化
全景
上から眺める
オートチョーカーにより、こういった技も
つかむ
トップソーが便利
360°回る
←オートチョーカーのリモコン
タワーヤーダのリモコン→
操作する西間健さん
タワーヤーダのインストゥルメンタルパネル
何故かマウスが...
実は車載コンピューターの設定用
扱った在籍もプリントアウトされる優れもの
皆、切削防止ウェアを着ているのが素晴らしい
以前四日市の事務所に所属していた時に、プロセッサやグラップルが活躍している現場を見たことがあったが、それ以来の現地見学となった。ここで使われている機械はそれなりに高価であり、サイズも大きなものなので、すぐに導入...というわけにはいかない。しかし、こういった機械の導入によって生産性の向上だけでなく、興味を示した若者が現場に来てくれるようになればうれしい。
住田のY君が語った、「機械が無ければ林業やってない」という言葉を思い出す。

昼食を摂ろうと、田野畑村内の中華料理屋「風風」へ。地元H氏がお勧めする担々麺を皆が注文する。オプションは人それぞれだが。
体の大きなI氏が、担々麺に加えて麻婆飯と餃子を平らげる。見ているだけでお腹いっぱいになりそうだ。

行きと同じルートを住田へと戻る。松田林業の父上、ご兄弟を見ていると、ふと自分の亡父や亡兄のことを思い出した。学生のころ、3人で鳥羽に出かけたとき、兄が運転、父が後部座席、そして自分が助手席に。伊勢志摩ロイヤルホテルで食べたアワビのステーキ、鳥羽駅で見た試運転中のキハ75、そして懐かしいカローラFX。思い出が鮮明によみがえり、少し切なくなる。

昼過ぎから降り始めた雨はやむことはなく、住田に入ることには雪に変わった。

松田林業に戻り、前から見たかった「テーダブ(TW)」といういすゞ製トラックを見せてもらう。最強のフォワーダと呼ばれるボンネット型トラックは、この地方で頻繁に見かける。
 雪を払ってから、ベースキャンプへ戻る。
帰省のお土産を配るために、菅原先生、気仙沼の母、そしてまるきへ。皆新聞のことを話してくれたのがうれしい。そして、菅原先生は兵庫のK氏と南郷地区の忘年会でいろいろ話をしたとも伝えてくれた。
夜はつけ麺