2015年3月11日水曜日

#775 4年目の3月11日

いつの間にか雪が降っていたようで、薄っすらと白いものが積もっていた。あの日と同じような寒さの中、震災特集が組まれている三陸新報に目を通し、いつものように準備して、いつものように出勤する。
普段と変わりなく、業務が進められる。今日は来客の予定もなく、ただ内業に勤しむことに。
昼前、T班長から「今日は黙祷をするのかね。」と声を掛けられる。自分の気持ちと裏腹のその発言に少し驚いたが、その真意は後で理解することに。
非ライブカメラA
14時半ごろ、職場のテレビがつけられる。国立劇場で行われている東日本大震災四周年追悼式の様子が映し出される。

そして、14時46分、黙祷。

引き続き内閣総理大臣の式辞、天皇陛下のお言葉を賜る。そして、再び業務へと戻る。

なんとなく心がざわざわし、ルーチンな書類にもミスが多発していた。N技師に指摘され、修正を行う。

18時半前、N技師と外へ出る。防災行政無線から「見上げてごらん夜の星を」が流れ、内湾付近に3本の光が立ち上がる。N技師はそっと手を合わせている。そして自分も...

昼間のT班長の言葉、そして何もなかったかのように業務を遂行する職場について、N技師に問いかける。「たぶん、みんな忘れたいんだと思いますよ...」と。

吹雪いてきた街をベースキャンプへと戻り、待たせてしまっていたK氏とともにまるきへ。なぜか3月11日はまるきに行きたくなってしまう。
食事を終え、「3月11日からのヒカリ」を撮影しているk氏と合流するために安波山へ。普段この時間に人はいないだろうが、今日は光を眺める人が多数陣取っていた。

時折小雪が舞い散るなか、第1展望台で撮影ののち、山頂へ。
K氏、そしてk氏。震災がなければ出会うことのなかった面子。いろいろな思いが交錯した。

復興のスピードは早いのか遅いのか、その思いは人それぞれだろう。それでも、街は1年また1年と姿を変えている。
やがて、被災地から復興地となるであろうこの街。その一瞬を、友とともに眺めている。

下山し、スポットライトの設置されている場所を見てから、ベースキャンプへと戻った。